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 これは拙著『自由落下のクリスマスキャロル』後書きからの質問ですな。『ヨーコ』のイラストを赤石沢氏に頼むきっかけになったゲームの事です。
 1990年(もう、七年前か……)10月20日にセガ・エンタープライゼスより発売されたメガドライブ用シューティングゲームです。ちなみに4メガカートリッヂで定価は6000円でした。
 ゲームそのものは横スクロールのシューティングで、自機はロボットと戦闘機の二形態に変形します。タイトルにもなっている『アローフラッシュ』とは、いわゆる特殊攻撃(スペシャルアタック)の事で、ロボット形態の時は一定時間無敵(……『バレルロール』)、戦闘機形態の時は数本の太いレーザーを>型に発射するものです。
 パイロットはスターナ・オーバルという美少女で、ロボットもSDぽいデザインになっており、ロムカセットにも関わらずアニメのりのOPが付いてました。
 当時のサターン……、もといメガドライブ専門誌によると『アニメオタク向け』『軟弱シューティング』などと余り良い評価は受けていなかったようです。そのうえナムコの『バーニングフォース』(これも主人公が女の子のシューティング)と発売がぶつかったため、セールス的にも今一つ。一時期は秋葉原で980円程度で手に入れる事が出来たのですが、さすがに今では中古を探すのも難しくなりました。
 さて、これがなんで赤石沢氏と関係があるのかと言うと、この『アローフラッシュ』のパッケージを赤石沢氏が描いていたからなのです。丁度『ヨーコ』の企画を暖めていた頃、編集のS山氏とイラストをどなたに担当して頂くか、頭を悩ませていた私は、秋葉原の某ショップ(確かF電気だったと思う)に並んでいたこのゲームのパッケージを見た瞬間にピンと閃くものを感じていたのです。

「これだッ! と思いました!!」(島本和彦著『燃えよペン』第10話オリジナルアニメ制作発動編風に読むと大変効果的です)。

 そんなわけで編集部に我侭を聞いてもらう形で、『それゆけ! 宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコ』のイラストを赤石沢氏に担当して頂く事となったのです。
 そんな『アローフラッシュ』ですが、残念ながら赤石沢氏はパッケージのみの担当のようです。
 なおゲーム関係では、赤石沢氏は他にも『サイキックワールド』『ファンタシースター外伝』(共にゲームギア用。発売元セガ)のパッケージ。『甲竜伝説ヴィルガスト〜消えた少女〜』(スーパーファミコン用。発売元バンダイ)のパッケージと販促用イラスト。『クィーンズロード』(プレイステーション用。発売元エンジェル)のキャラクターデザインなどを担当されております(これらのデータは庄司卓個人の調査によるもので、赤石沢氏個人に確認をとったものではない事をご了承ください)。
 なお『クィーンズロード』以外の入手はきわめて困難だと思ってください。三〜四年前にメガドライブのパッケージアートだけを集めた画集が出版されており、そこに『アローフラッシュ』のパッケージも再録されたはずですが、今となってはそれも入手困難です。 え? それで『アローフラッシュ』は買ったのかって? ……買ってない(笑)。『ウィップラッシュ』『クライング』と共に、『メガドラ オリジナル横シューパック』としてセガエイジス収録希望……!!
 いや、今のサターンならアニメバリバリでリメイクした方がいいかも。こういうのもありですな。どうでしょう?
 ロイヤリティとかいらないし(笑)&(謎)。