A:
 簡潔に答えますとありません。
 なぜにと理由を考えますと、多分、よく知らない。分からないからだと思います。
 ライバルというのは、ある程度、相手の存在や力量を意識する事から始まるわけで、意識するしない以前に、そもそもよく知らないのでは、ライバルとしてなりたたないような気がします。

 この職業、多分、読者の皆さんが思っているほど、同業者の方とお会いする機会は多くないのです。現に私が直接、会ってお話をした方といいますと、立ち話も含めても、10人いるかいないかという程度です。
 著名な方ならばこちらとしても、ライバル意識などおおそれおおいですし、
 自分と同じくらいキャリアの方ですと、ライバル意識というよりは、むしろ「わーい、お仲間、お仲間\(^o^)/」という意識が先行してしまいます。
 各種新人賞受賞者の方ですと、同期入賞者の間でのライバル意識というのもあるようですが、僕はどうもうやむやのうちにデビューしてしまったようなのでそういう同期の桜もおりません。

 さらにかてて加えて、私はいわゆるライトノベル(あっ、辞書に入ってねぇや。まぁ、当然か)や、ティーンズ向け文庫というのをまず買いません。自慢じゃないですけど自分のお金で買った作品は、片手にあまるくらい……。
 他の方がどんな作品を書いているのか知らないのでは、まずライバル意識は芽生えませんね(不勉強かもしれんが……(^^ゞ)。

 まぁ、あとこれはちょっと誤解を受けかねない発言なのですが、私自身への戒めという意味も含めて、敢えて書いておきます。
 いわゆるライトノベルやティーンズ向け文庫の評価は、ほぼ売り上げで決定されてしまいます。
(そう言った意味では、限りなくマンガに近い世界だと思ってください)
 さて、その売り上げですが、僕としては売り上げに占める各要素の比率を次のように考えています。
 
 出版社4割、担当編集者3割、イラストレーター2割、作家の力1割……。
 
 ぶっちゃけた話、一社か二社から、ティーンズ向けのシリーズを2、3作出しただけでは作家の力量なんてわからんのですよ。
 まぁ、上の比率、足し算じゃなくて、掛け算と考えていただければ分かりますように、最後の比率1が結構重要で、これが0だと、他がどんなに頑張っても0にしかならないのは事実ですけどね。
 そう言った意味では、まだまだライバル意識なんて、持つのも早いし持たれるのも早いと考えている次第です(^_^;)。
(以前、ドラゴンマガジンのインタビューで「普通の小説が書きたい」って言ったら、編集さんに変な顔をされたなぁ
(^ ^;)。
 え? わし? はい、おかげさまで富士見さんにもソノラマさんにもよくしてもらってます。だから締め切り、もうちょっと待ってね(__)。


1997/10/21作成